「リハーサルまではがんばって、本番はなりゆきだ!
 うんとたのしもう!」

 リハーサルは保育者にとっても子どもたちにとっても、ドキドキワクワクの経験ですが、いちばん充実した時期です。というのは、リハーサル会場のホールには次から次へとかわいいお客さんがやってくるからです。ほかのクラスの劇や合奏を見ようと子どもたちが保育者と共にやってくるのです。子どもが集まればそこには当然ハプニングが。
 例えば、あるクラスが舞台の上で歌を披露しているとき、観客であるはずの子どもたちも座ったまま声をそろえて歌いだすことがあります。指揮をしている保育者は、前と後ろから天使の歌声が響き、まさに至福のひとときとなります。また年長の劇を見にきた年少児などは、リアルな演技に吸い込まれ、笑ったり怒ったりと素直な反応を見せてくれます。劇をしている子どもたちにとっては、小さなお客さんの感動が何よりも励みになるようです。
 さて、本番といえば、これまたハプニングの連続です。雰囲気に圧倒され、泣いて舞台にあがれない子もでてきます。これもなりゆき。「来年はきっとがんばれるよね」。
 本番は練習の積み重ねがエネルギーを生みだし、あっという間に時間が流れ、終わってしまいます。だから保育者も子どもたちも楽しまないと損なのです。失敗を恐れずにおおいに楽しみましょう!
(林 和代)